クリニック新聞1月号「”発達障害”は病気なの?」

こんにちは😊

お久しぶりのブログ更新となってしまいました🙇

先月号のクリニック新聞のお知らせです🌼

テーマは「”発達障害は病気なの?」でした。

最近はテレビやSNSで「発達障害」という言葉が頻繁に使われるようになり、みなさんにとっても馴染みがある用語となったのではないでしょうか。

しかし、広く知られるようになった分、正しく理解されていないと感じることも増えたような気がします。

「発達障害」と聞くと、親の育て方の問題や本人の努力不足のせいだと感じる人がいるようですが、それは誤った知識です。

また、「発達障害は治るもの」という認識をもっている方もいるようですが、それも違います。

なぜなら、発達障害は病気ではなく、脳の特性だからです

これらは発達障害の方にみられる特徴の一部ですが(もちろん例に挙げたものがみられない方もいます)、すべて脳の働きが影響しているといわれています。

発達障害の原因としてはさまざまな諸説があり、現代でもはっきりと解明されているわけではありません。

そのために、誤った知識が広まりやすいのかもしれません。

脳のはたらきが要因といっても、脳の「障害」や「疾患」ととらえるよりも、「特性」「ちがい」と考える方が実際の状態に近いと思います。

そして、「発達障害は治るものではないない」と先述しましたが、目立たないようにすることは可能です。

脳の「特性」「ちがい」によって、本人が困り感を抱いていたり、周囲の人が困っていたりする場合は、どうすればその特性をカバーできるかを考え、それに合った対策をとることで困りごとを減らすことが期待できます。

私たち医療スタッフにはそのお手伝いができるかと思いますので、お気軽にご相談ください

また、発達障害をもつ人は、周囲からみるとミスを繰り返したり、理解しがたい考え方をしたりすることがあり、「またか」と思われてしまうことも少なくありません。

「カサンドラ症候群」という言葉を聞いたことがありますか?

これは、場の空気を読み取ることが苦手な発達障害の人に対応する家族が精神的に疲弊してしまうというもので、このような言葉が生まれるほど発達障害の人とのコミュニケーションに難しさがあるのは確かです。

(↑悪気はないのに相手を怒らせてしまうことも・・・)

では、発達障害の人のコミュニケーションは間違っているのでしょうか?悪いものでしょうか?

そういうわけではありません😊

単にコミュニケーションのとり方や脳の特性が多数派か少数派かということなのだと思います。

多数派だからといって正しいわけでも、少数派だからといって間違っているわけでもありません。

ここがズレてしまうと、発達障害の人=悪になってしまいます。

そしてなにより、発達障害をもつご本人なりの理由はかならずあり、むしろご本人も苦しんでいることの方が多いということです。

発達障害をもつ人と共に生きるためには、まずご本人が見ている世界を理解する必要があります。

この「相手を知ろう」という姿勢は、理解のための大きな一歩となります🌱

(引用文献:岩瀬利郎(2022)発達障害の人が見ている世界,アスコム)