こころの病気を知ろう⑩ -睡眠障害(不眠症)-
心身の健康に不可欠な「睡眠」
みなさま、毎日睡眠はとれていますか?🌙
患者様からは、「寝つきが悪い」「寝てもすぐ目が覚める」「早朝に起きてしまってそこからずっと起きている」など睡眠についての様々なお悩みを聞きます。
睡眠に問題があると、体がしんどくなるだけではなく、心の状態にも影響があります。
十分な睡眠は心身の健康のために非常に重要なのです!
毎日のことなので当たり前と感じている方もいるかもしれませんが、この機会にご自身の睡眠について振り返っていただけたらと思います😊✨
睡眠障害とは
「睡眠障害」にはいくつか種類があります。
代表的なものとして「不眠症」がありますが、それ以外に夜間は十分眠れているにもかかわらず日中に強い眠気を生じる「過眠症」、子どもが睡眠中に突然起き上がったり激しく絶叫したりする「睡眠時随伴症(無遊症・夜驚症)」、体内時計が乱れることでリズムが崩れ活動に困難をきたす「概日リズム障害」などがあります。
今回はお悩みとして特に多い「不眠症」についてお伝えしていきます。
不眠症
不眠症は主に4つの症状に分けられます。
①入眠困難(寝つきが悪い)
②中途覚醒(眠りが浅く、途中で何度も目が覚める)
③早朝覚醒(目覚めが早く、二度寝できない)
④熟眠感の欠如(ぐっすり眠れた感じがしない)
これに加えて、不眠によって日中の眠気、集中力の低下、倦怠感など身体・精神機能に障害が生じます。
日本の人口において不眠を訴えるのは成人の約21%と言われています。
20~30代で始まり、40~50代でピークとなることが典型的で、男性より女性の方が多いです。
誘因・原因
「ストレスがかかると眠れない」という経験は誰しもあると思いますが、自然と治まることがほとんどです。
ただ、環境的な要因、不適切な睡眠習慣、生体リズムのミスマッチなど社会的要因が重なることで不眠症は慢性化し、そうなると適切な治療を受けなければ回復しにくいといわれています。
診察の中では、生活習慣(日中の運動や昼寝、カフェイン摂取、飲酒習慣など)の確認を行い、身体・精神疾患の影響や薬剤の副作用の可能性を考慮しながら要因を探っていきます。
治療
要因が見つかったら、それぞれに合った治療を進めていきます。
例えば、睡眠に関する正しい知識を提供します。
不眠症の方は、不眠による弊害を拡大解釈して過度に恐れるあまり、眠るために過剰な努力をして、それがさらなる緊張感として眠れなくなる…という悪循環を起こしやすいです。
そこで、「睡眠時間は人それぞれで、日中の眠気で困らなければ十分」「昼寝をするなら15時までに30分以内で留める」「睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと」など、正しい知識や対処法をお伝えします。
その上で、生活習慣や環境を改善しても不眠が継続する場合は、睡眠薬による薬物治療を行います。
「薬に頼りたくない」というお声を時々聞きますが、お薬の力を借りて体内時計を調節したり脳の覚醒を抑えたりすることで、睡眠の改善が期待できます。
種類や量については、患者様と相談しながら先生が慎重に処方してくれますので安心してくださいね😊
また、身体・精神疾患が不眠の要因として大きい場合は、そちらの治療を優先することもあります。
不眠を「当たり前」にしないで
生活リズムは人によってさまざまなので、今の自分の睡眠時間が当たり前となっている方が多いと思います。
起きたときにすっきりする感覚があるか?昨日の疲れは朝にはとれているか?調子がいいときは何時間眠れたときか?など、ご自身の感覚を頼りに「ちょうどいい睡眠時間」を見つけてみてください😊
「寝つきが悪い」「眠りは浅い」などの問題を”慣れ”によってそのままにせず、できるところから生活リズムや環境を改善してみましょう✨
睡眠のパワーはとても大きいです😎改善することで、日々の活力や充実感につながります。
お困りの方はお気軽に当院にご相談くださいね🌱
みなさまの毎日が健やかなものになりますように✨