クリニック新聞10月号「”安心感”をどう育てる?」

こんにちは。最近まで暖かかったのに、すっかり冬の寒さがやってきましたね⛄

先月のテーマは「安心感」でした😊

保護者との関わりの中で安心感を感じられるようになった子どもは、大きくなったとき他人を信頼することができるようになります。

そのための基礎として、「安心感」はとても重要なのです。

では、どのように関わればよいでしょうか?

幼児期の子どもは保護者に対して、「見守っていてね」「大好きって受け止めてね」「おいでって待っててね」という欲求をもっています。

これは、子ども自身がしっかりとした意思をもって抱いているわけではなく、心の奥底で無意識に抱いているというようなものです。

この欲求に大人が応えることで、子どもは安心感を積み重ねることができるのです。

例えば、子どもが転んでしまったとき。

大きな怪我をしたわけではなさそうであれば、ついつい「このくらい大丈夫、大丈夫!さあ立って!」と言ってしまいそうになりますよね。

これは子どもを励まそうとする声かけで、必ずしも間違っているわけではありません😊

ただ、まずは「痛かったね、血が出てるね」と子どものそのままの状態をまずは受け止めることが大切なのです。

そして、「痛くてびっくりした」「他の子に押されて嫌だった」などの感情に寄り添います。

子どもは「悲しみ」や「怒り」などの感情をそのまま受け止めてもらえたことで、その人のことを”安全な避難所”だと思えるようになります。

避難所で自分の感情に寄り添ってもらえると、次第に自分で自分の感情を受け入れられるようになります。

その経験の積み重ねによって、子どもは大変なことやつらいことがあっても「傷つくこともあるけど、回復することもできる」という確信をもつことができ、自律の力を身につけることができます。

「まずはそのまま受け止める」を合言葉に、子どもの気持ちを一緒に感じてみましょう🌱✨

(引用文献:安藤智子(2023)安心と発達「安心感の輪」子育てプログラムの実践から学んだこと.臨床心理学137,559-562)