ひきこもり支援について④

ひきこもり支援についてのご紹介は今回で最後です😀

これまでは、家族支援プログラムの内容について簡単にご紹介しました。

本日はひきこもりからの回復過程についてお伝えしたいと思います🌼

↑こちらの本からの抜粋です😊ぜひ読んでみてください♪

ひきこもりからの回復過程

人が経験する出来事には、楽しい出来事とつらい出来事があります。

このふたつは対極にあるものではなく、どちらも共に存在する状態もあります。

したがって、楽しい出来事とつらい出来事は独立した体験であると考えることができます。

この観点からひきこもり支援では、楽しいこととつらいこと、その両方がありながらも自分の価値に沿って自立した生活を送れるようになることを目指していきます

つまり、自分の価値観に沿って自分らしく自立した生活である「価値ある生活」を目指すといえます。

ひきこもりの状態とは、つらい出来事から生じる否定的な感情を避ける行動といえます。

ひきこもっている本人は否定的感情を避けているだけであって、「楽しい」といった肯定的な感情を体験しているわけではありません。

つまり、否定的感情のない、かといって肯定的感情があるわけでもない、何もない「無感情」の状態にいるといえます。

「無感情」の状態から「価値のある生活」を目指す場合、多くの人はつらい出来事を克服した後に楽しい出来事を体験できるようになると考えます。

しかし、つらい出来事を克服するのは簡単なことではありません。

ひきこもりの状態にある人は、度重なる失敗や長期にわたるひきこもりのために経験が不足しており、深刻な自信喪失、体力喪失の状態に陥っていることが多いためです。

つまり、ひきこもっている本人に「頑張って乗り越える」ことだけを求めてしまうと、本人のやる気を引き出せず、結果的に家族関係が悪化してしまう可能性があります

ひきこもりから「価値のある生活」を目指すには、楽しい出来事を体験することから始めるのが効果的です。

本人が肯定的な感情を体験できるように、「できることを重ねていく」ことが重要です。

その中で、成功体験を積んで自信を回復し、新たなことに挑戦してみようというやる気が芽生えてきます。

その後であれば、多少の困難があったとしても、それに耐えて乗り越えるための自信とやる気が備わっています。

さいごに

ひきこもりの人を支えるには家族にも大きな負担がかかります。

期間が長くなればなるほど視野が狭まり、考えがネガティブになりがちです。

第三者に相談したり、今までとは違う方法を試してみたりすることで、新しい風が入り解決の糸口となる可能性もあります。

今回はその選択肢のひとつとして家族支援プログラムについてご紹介しました🌱

プログラムってなんだか難しそう…という方は、診察でご相談いただくこともひとつの方法です。

もしお悩みの方は、はじめはご家族だけのご相談も可能ですのでぜひ来院ください😊