クリニック新聞6月号「人はグレーゾーンに生きている!」
こんにちは😆
7月に入りました☀先月号のクリニック新聞をご紹介します♪
テーマは「人はグレーゾーンに生きている!」でした💡
最近は「発達障害」という言葉が広く知られるようになり、専門家以外の方が使っている場面をよくみるようになりました。
少し気になるのが、「発達障害」の有無について、「定型発達(標準的な発達をしているということ)」と「発達障害」という2つのパターンに分けられると思われがちということです。
実際には、人間を2つに分けることは難しいことなのです!
人間は誰でも入り混じった状態が普通です◎
小さな病気をもって生きている人はたくさんいるし、
大きな病気をもちながら生きている人もいます。
人はみな、病気と健康の境界、すなわち「グレーゾーン」の中に生きているのです。
発達障害もこれと同じです。
「定型発達」や「多数派」と思っている人の中にも、コミュニケーションの障害やこだわりが薄められた形で存在することがあります。
たとえば、夫婦や上司・部下などさまざまな人間関係に悩むことはよくありますよね。
他にも、人生の苦しみを「忘れよう」「水に流そう」と思ってもなかなか忘れられなかったり。
このように、発達障害をもつ人の悩みは、全ての人の悩みでもあります。
ASDの特徴といわれる「コミュニケーションの障害」は、他人の気持ちや考えが十分にキャッチできていないということです。
でも、私たちは誰でも他人との関係で悩んでいます。夫婦、親子、嫁姑、上司・部下、同僚、同級生など…。
相手の気持ちを推測することはできても、実際に相手が感じていることが正確にわかるわけではないので、勘違いや行き違いが起こり、悩みが生じます。
これは「コミュニケーションの障害」が人間関係において日常的なものであるといえます。
その他の特徴である「こだわり」についても、過去の苦しみを忘れたくても忘れられない、気持ちを切り替えようとしても切り替えられないということは誰でも経験があるはずです。
人はみなグレーゾーンに生きていて、大なり小なり発達障害をもっているという考えが広まれば、多様に生きることができる世界が開けてくるはずです。
線引きすることにとらわれず、お互いの苦しみや悩みを理解し合えるとよいですね😊
【引用文献:青木省三(2012)ぼくらの中の発達障害,筑摩書房】