発達障害って何だろう⑥ -多動性-
本日のテーマは「多動性」についてです☺こちらも前回に引き続き、「ADHD」の特性のひとつです。
「多動性」とは簡単に言うと、じっとしなければいけないときにじっとするのが苦手な状態です。
よくみられる特徴としては以下の例が挙げられます。
🌱気になるものがあるとそれに向かってすぐに走り出す。
🌱集会や授業中にじっと座っているのが苦痛で立ち歩いてしまう。
🌱立ち歩くことはなく頑張って座っているけど、手遊びしたり隣の子とおしゃべりしたりする。
🌱会議中は落ち着かないのでトイレに立ったり資料に落書きをしたりする。
🌱家では常に喋りつづけたり動き回ったりしている。
🌱休みの日はスケジュールをパンパンに詰め込みがち。
こちらも、「不注意」と同じで「当てはまるなあ」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。
人間の脳は、脳幹と呼ばれる部分が常に「動け」と指令を出しています。それを主に前頭葉が抑制することで身体の動きを止めることができます。つまり、多動の強い人は”脳の基本的な指令に従っている”と考えることもできます。
特に子どもの場合は強くあらわれることも多いので、相手をしている大人の方がクタクタに疲れてしまうかもしれません。
多動性の強いお子様に対する支援は、積極的に体を動かせてあげることです。「ええ~動き回って困ってるのに、もっと落ち着かなくなるんじゃないの?」と心配になりますよね。でも大丈夫です!
なぜかというと、多動性の強い子に対して無理やりじっとさせようとすると、不安感や緊張感が強くあらわれます。それが結果的にストレスとなったり落ち着かない気持ちになったりします。
大切なのは、枠組みを決めてその中で動くことです。例えばおうちでは窓ふきや犬の散歩、学校ではプリントを配ったり体育の準備をしたり、体を動かせる役割を与えてあげてください。生活の中で自然とエネルギーを発散することができます。
また、「ご飯を半分食べたら一度歩いてもいいよ」とルールを決めてみましょう。そのルールの中で動くことが習慣になることで、お仕事をするようになったら「あと1時間仕事したら5分休憩しよう」など自分でルールを決めることができます。
これまでもお伝えしてきたように、発達障害の特性は困りごとの原因となる一方で強みにもなります。多動性の強い方は、いつもエネルギッシュです。家事を完璧にこなしたり、お仕事を溜め込むことなく次々とこなしたりするなど、たくさんの仕事を処理することができます。
「自分でコントロールする力」を身につければ、このエネルギーの高さは強い武器になります😄もちろん特性の種類や強弱が人によって違うように、合う対策も人それぞれです。ぜひ、自分に合った方法を見つけてみてくださいね。
(引用文献:岩瀬敏郎「発達障害の人が見ている世界」株式会社アスコム,2022)