こころの病気を知ろう① 気分障害-うつ病-

こころの病気とは?

この度、「こころの病気を知ろう」シリーズを始めます😄

「心療内科」「精神疾患」と聞くと、”難しそう””なんだか怖そう”というイメージをもたれるかもしれません。

でも、風邪をひいたら内科に行くのと同じように、心が疲れたときに行くのが心療内科です。

薬を飲んで風邪を治すのと同じように、心の病気でも治療が必要なのです。

心療内科や精神科について間違ったイメージがなくなり、もっと身近に感じてほしい!という思いから、このシリーズを始めることにしました。

少しずつ進めていきますので、読んでいただければ幸いです🌼

※このシリーズでご紹介するのは一般的な内容です。特に治療については当院では扱っていない場合もありますのでご了承ください。お悩みの方やご希望のある方は一度ご相談ください。

うつ病

(↑この見出しのつけ方を今ごろ知りました😂見やすいでしょうか?😊)

「うつ病」という名前は一般的にもよく知られていると思います。うつ病をテーマにした映画もありますよね。

主な症状は以下のとおりです。

・気分が落ちこむ(抑うつ気分)

・前は楽しめていたことが楽しくない(興味・喜びの喪失)

・食欲がわかない、食べてもおいしくない(食欲の低下)

・寝つけない、夜中に何度も目が覚める(不眠)

・動作が遅くなる、落ち着きがなくなる(精神運動制止・焦燥)

・歯みがきや入浴がおっくうになる(易疲労感)

・自分には価値がない、全て自分のせいだと感じる(無価値観・罪責間)

・新聞やテレビの内容が頭に入らない(思考力・集中力の低下)

・死にたい気持ちになる、実際に死のうとする(死についての反復思考)

「うつ=落ち込む」というイメージは何となく広まっているかもしれませんが、他にもさまざまな症状があらわれます。なかには「死にたい気持ち」が生じる場合もあるので、早めに気づいて治療することがとても大切です。

原因

うつ病の原因は完全には解明されていませんが、心理的ストレスや身体的ストレスがきっかけとなり、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じているものと考えられています。

「脳の働きによる病気」なので、本人のやる気や人間性の問題ではありません

うつ病に大切なのはとにかく休養すること!(これは後で説明します)

しっかりと休むためには本人だけでなく周囲の理解も必要です。「あの人は根性が足りないんだ!」というような間違った認識は、うつ病になった人を苦しめてしまいます。

・・・少し話が逸れましたが、原因となる心理的ストレスは大切な人との死別や人間関係の破綻などつらいものはもちろん、結婚や昇進など通常では喜ばしいものも含まれます

学校に入学するときや会社に就職するとき、誰でも一度は緊張や不安を抱えた経験がありますよね。

それと同じで、どのようなできごとであっても人によってはストレスの原因となる可能性がありますし、特に「変化」に対してはストレスを伴うものなので注意です!

治療

うつ病の治療は「休養」「薬物治療」「精神療法」の3本柱といわれています。

①休養

3本柱に入るほど、休養は大切なのです!!

休養のあいだはストレスのきっかけとなっているものと距離をとるようにします。

仕事の人間関係であれば休職、身体的な病気であればその治療というように、ストレスから離れてゆっくり休めるように準備します。

うつ病の方は元々真面目で仕事熱心な方が多いので、「休んでいていいのかな」という気持ちを話される方も少なくありません。

でも休むことは立派な治療です。むしろ、はやく元気になるためにゆっくり休むことが必要なのです😊

②薬物治療

”精神科の薬”と聞くと「こわいな」と感じる人もいるかもしれません。

でも、うつ病は脳の働きによる病気なので、薬によって脳の働きを改善させます。

そういう意味では「身体機能に作用する薬」ということなので、怖さや不安は少し和らぐのではないでしょうか。

ただ、うつ病の薬のやっかい(と私が勝手に思っているだけですが)なところは、飲み始めてすぐには効果が出ないところです。

継続して飲み続けていくうちに効果を発揮し始め、症状が改善されていきます

このあたりは風邪薬をイメージして飲むと、「あれ?」となるかもしれませんね。

効かないからといって自分の判断で薬の量を増やしたり、中断したりしては効果が出ないのです😢

薬の種類・量・飲み方に関しては、ひとりひとりの症状や段階に合わせて先生が適切なものを処方してくれます。自分で判断せず、必ず主治医の先生に相談してください。

特に治療初期は不安が大きくなる時期だと思いますが、そういう気持ちは我慢せず診察でお話されてくださいね。「治したい」という患者様の気持ちが何よりも治療には大切なので、何にも我慢しないでください🌼

③精神療法

最近では認知行動療法が一般的です。「CBT」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

人はストレスを感じたとき、「認知」「感情」「身体」「行動」の4つの側面が変化します。

「職場の人から挨拶を無視された」というできごとが起きたとき、

認知:嫌われているのかもしれない

感情:悲しい、不安

身体:動悸がする、お腹が痛くなる

行動:仕事を休む

という風に、お互いに影響を及ぼし合って悪循環が生まれます。

「無視された」と言っても、実際には相手が気づいていないだけだったかもしれませんよね。でも、一度悪循環が生まれると、次々と悲観的な方向へ考えてしまいます。

そこで、「認知」と「行動」にアプローチして、ものごとの捉え方を改善していく方法が認知行動療法です。

「感情」や「身体」は”今すぐやめて!”と言われても難しいですが、「認知」や「行動」は”他にどういう考え方ができるかな?””とりあえず起き上がってカーテンを開けよう”など、自分の意志でコントロールしやすいです。

この認知行動療法はうつ病に限らず他の精神疾患にも使われますし、ビジネスや教育など広い分野でこの考え方が取り入れられています🍃

さいごに

「こころの病気を知ろう」シリーズ1回目はうつ病がテーマでした。

日本では100人に約6人の割合で生涯でうつ病を経験しているといわれており、決して他人ごとではない病気です。

お伝えしたいことを詰め込んだら、なかなかボリューミーになってしまいました😳

時間のあいたときに、少しずつ読んでいただけると幸いです🌼