クリニック新聞9月号「”つながり”は危険!?」

こんにちは😀🍁

先月号のクリニック新聞のテーマは「”つながり”は危険!?」でした。

人と人とのつながり…と聞くと、温かでポジティブなイメージがあるかもしれません。

でも、実は注意すべき危険があるのです💡

私たちは、「誰とつながるか」を自由に決めることができます。

相手の性別、年齢、国籍…何もかも自由に決められます。

それに、「つながりの形」も自由です。

一緒に暮らしてもいいし、暮らさなくてもいい。体に触れてもいいし、触れなくてもいい。

友人や家族とのつながりも自由な選択ができます。

親友と絶交してもいいし、親子関係だって解消できる。

逃げた方がいいようなつらい関係は、逃げることができます。

ただ、この自由なつながりには負の側面もあります

それは、相手も自由に選択できるということです。

つまり、自分が一緒にいたいと思っていても、相手がそれを嫌だと思ったら2人は一緒にいることができません。

「つながり」には2種類あります。

それは、「共同性」と「親密性」です。

「共同性」とは、同じものを複数人で共有することで生まれるつながりのことです。

例えば、ママ友や部活の仲間、会社のプロジェクトチームなどです。

一方で、「親密性」とは、二者関係で成立しやすく、「この人に分かってほしい」という一歩深入りした関係のことです。

例えば、親友、親子、恋人などです。

この2種類のうち、「共同性」によるつながりの方が、苦労がシェアされ、傷つけない関係になりやすいです。

傷つけない関係は、私たちを自分らしくしてくれます。

私たちは傷ついていたり、傷つけるものに囲まれたりしているときは、自分の身を守ろうと武装するあまり、「いやなやつ」になりがちです。

もし「私って性格悪いな…」と思うのであれば、それは環境が合っていないのかもしれません。

「親密性」の関係はとても価値がありますが、同時にリスクが伴います。

「この人に分かってほしい」という思いから打ち明けた秘密を否定されたり、2人にしか分からない密室で傷つけ合いが始まると制御がきかなくなったりするからです。

だからこそ、人とつながりたいと思ったとき、まずは「共同性」の関係を目指すのがよいです。

みなさんの周りに、苦労を共有できる人はいますか?

一緒に愚痴を言い合ったり、手助けし合ったりして、「共同性」のつながりを深めていけるとよいですね♪

【引用文献:東畑開人(2022)なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない.新潮社】