クリニック新聞11月号「”騙される方が悪い”は間違っている!?」

こんにちは😊🌱

先月号のテーマは「”騙される方が悪い”は間違っている!?」でした。

詐欺の被害のニュースを見たとき、「自分ならすぐに気づくのに」「こんなの騙される方が悪いんだ」と思ったことはありませんか?

でも、実際に自分の身にふりかかるとあなたも騙されるかもしれません。

振り込め詐欺の被害者を対象にしたある研究では、「振り込め詐欺を認知しているかどうか」は90%と非常に高く、「自分が狙われると思っていなかった」「自分が音声を間違えるはずがない」「自分には相談相手がいるから被害には遭わない」と答えた人はなんと6割もいました。

つまり、多くの人が振り込め詐欺の存在を知りながらも自分が詐欺に遭う危険性を過小評価していたことがわかります。

このことを心理学では「正常性バイアス」といいます。

人は日常の中で確たる証拠がないにもかかわらず受け入れていることが多いです。

たとえば、自宅に宅配が届いたらすぐにドアを開ける人が多いのではないでしょうか。

開ける前に会社や名前を聞いて本当に宅配ドライバーかどうかを確認する人はあまりいませんよね。

つまり、私たちにとって信じることは常態化しているのです。

少し考えればわかることなのに、みんな自分にはあてはめようとしないものです。

そもそも「誰かに騙されない」ことを徹底するためには、自分の感情を抑えて合理的な判断を優先しながら、相手からの情報を一切信頼せず吟味して嘘かどうか判断する必要があります。

これは認知的な面で非常に難しく、人間関係においても非合理です。

それなのに「自分は騙されない」と思いやすいのは、「自分が生きている環境を統制できる」とみなし、「不安を解消したい」という無意識の欲求が誰にでもあるからです。

最近はICTやAIの普及が進み、匿名情報やフェイク情報が溢れる環境になりました。

いざ自分の身にトラブルがふりかかると人はすんなり騙されてしまうものです。

騙される自分に気づくために、まずはニュースの内容を他人事だと思わず「自分も騙されるだろう」と自分事として考えてみることからはじめてみましょう♪