発達障害って何だろう⑤ -不注意-
本日のテーマは「不注意」について☺前回お伝えした「ADHD」の特徴のうちのひとつです。
「不注意」とは簡単に言うと、注意を向けなければいけないところに向けることができない状態です。
生活の中で起こりやすい困りごととして、以下の例があります。
🌱授業中なのに友達と遊ぶ予定のことを考えてしまう。
🌱面倒な書類仕事を後回しにしていたら、いつの間にか締め切りが過ぎていた。
🌱かばんの中や机の上がぐちゃぐちゃで、探しているものがなかなか見つからない。
🌱大事な約束や持ち物をうっかり忘れてしまうことが多い。
🌱宿題に集中したいのに、少しでも音がすると気が散ってしまう。
これらを見ると、「ああ、当てはまるなあ」という方も多いのではないでしょうか。どんなときでも集中できて、整理整頓も完璧で、忘れ物をしたことがない…という方のほうが少ないと思います。ADHDの特徴も自閉スペクトラム症と同じで、誰にでも当てはまる部分はあります。
重要なのは、学校や仕事、家庭など生活場面でどれだけ支障をきたしているかということです。支障が出ているほど、ご本人や周りの方々の困り度は強いはずです。
「特性」は、ご本人の「意識」だけでどうにかすることは難しいです。ご本人の工夫や対策が必要になります。
最近はスマートフォンが主流になり便利なツールがたくさんあります。アプリを使えばカレンダーの重要な約束は色を変えられますし、前日にリマインドしてくれる機能もあります。これらを使わない手はありません!便利なものはどんどん使っちゃいましょう😄
また、刺激がたくさんあればあるほど、注意を向ける場所が増えて集中しづらくなります。刺激とは、「耳から聞こえる音」や「目で見えるもの」のことで、どんなものでも当てはまります。何か集中したいことがあるときは、関係ない刺激をできるだけ排除して環境を整えることも大切です。
環境調整の例として、教室の後ろの席になると他の子の後ろ姿や壁の掲示物が目に入り、どうしても刺激が増えてしまいます。先生に相談して前の席にしてもらうことで、刺激を最小限に抑えることができます。
このように、ご本人の工夫だけでなく周囲の方々の理解と協力も必要になります。
どのような工夫や環境調整が必要なのかは人によってさまざまです。当院では、診察や心理検査の結果をもとに困りごとの原因や必要な対策について一緒に考えていきます。少しでも気になることがあれば、ぜひご相談くださいね。