クリニック新聞11月号「自分らしさって何?」

先月号のテーマは「自分らしさ」でした😊

といっても、”自分らしさを見つけよう!”という内容ではありません。

現代のネット社会では「失敗は許されない」雰囲気があると感じます。

少しでも間違ったことをしたり失敗したりしたら、誹謗中傷の嵐です。

確かに中には許されないことをした人がいるかもしれません。

でも、よく考えてみると、誰にとっても人生に失敗はつきものです。

みなさんも、泣きたいくらい悔しかったり、消えたいくらい恥ずかしかったり、「こんなはずじゃなかった」と思ったりしたことはありませんか?

程度の差はあったとしても、誰でもこのような思いを経験したことはあるはずです。

何もかもうまくいく人はいないのです。

そうはいっても、キラキラした人(お金持ちとか、仕事をバリバリしているとか、幸せそうな家庭をもっているとか)を見ると、うらやましく感じたり、「あの人みたいになれたら人生が変わるに違いない」と思いがちです。

ただ、誰かのものさしに乗っかったとしても、それが自分の人生の成功につながるかどうかは怪しいものです。

人はよく「自分らしさを見つけよう」と言いますよね。

生きる意味を追求したり、やりがいを見つけようとしたり、完璧を求めようとしたりすることが素晴らしいと思いがちです。

でも、そんなものは見つからなくて大丈夫😊

大半の人は「自分らしさ」が一体何なのか分からないまま生きていると思います。

そういうものは、年齢を重ねたときにふと「今やってることって自分に合ってるのかもしれないなぁ」とか、「私がやりたいことってこれじゃなかったんだ」とか気づくことが多いです。

大きく成功している人は眩しく映るかもしれませんが、極端な成功の裏には極端なリスクもひそんでいます。

平凡な日々を「まぁ、そこそこ幸せかな」と受け入れられるようになると自分自身の心を満たしていけるのだと思います。

私たちは気を抜くと、他人にも自分にも力み過ぎてしまいます。

肩の力を抜いて、リラックスしてゆるーく生きていく姿勢もときには大切です🍃

(引用文献:松本俊彦(2021)世界一やさしい依存症入門,河出書房新社)