クリニック新聞5月号「自分の”感覚”は他人と違うかも!?」

こんにちは🐸☔

毎日暑い日が続いていますね🥵水分をたっぷり摂って、熱中症を予防しましょう✨

さて、先月号のクリニック新聞のテーマは「自分の”感覚”は他人と違うかも!?」でした。

「感覚過敏」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

発達障害の特徴のひとつで、以前このブログ内の「発達障害って何だろう」シリーズでもご紹介しました。

感覚過敏は大きくわけて5つに分けられます。

①音・・・大きな音、人混みの雑音、赤ちゃんの泣き声など

②臭い・・・洗剤、香水、食べ物など

③感触・・・洋服のタグ、洋服の素材、ぴったりした服が苦手など

④光・・・太陽の光、蛍光灯、カメラのフラッシュなど

⑤味・・・口に入れると吐き出してしまう、偏食が激しいなど

これらの過敏さは、「ちょっと嫌だな」というレベルの人もいれば、「その場にいられないほど苦痛」というレベルの人まで、その程度はさまざまです。

複数の過敏さを併せもつ人もいます。

感覚過敏の対策として、騒音だけをカットするデジタル耳栓やヘッドフォン型の防音具であるイヤーマフ、サングラスなど刺激を避けるための道具を使うことがおすすめです。

また、ふいにくる刺激にパニックにならないために「人が多いから臭いがきついかもしれないよ」などあらかじめ知らせて心構えをもてるような工夫も大切です。

また、反対に鈍感すぎる人もいます。そのような特徴を「感覚鈍麻」とよびます。

鈍感すぎるために、人に話しかけるときに軽く手を添えたつもりが相手が痛いほど強く叩いてしまう、怪我や体調不良に気づきにくいなどの困りごとがみられます。

人は誰かと同じものを見たり聞いたりしたら、つい他の人も自分と同じように感じていると考えてしまいがちです。

「感覚」は自分が感じているものを基準にするしかないからです。

でも、実は全く異なる感じ方をしているかもしれません。

「何デシベルの音か」という客観的な数値と、聞こえた音をどのように感じたかという問題は別物なのです。

自分が平気な刺激だからといって、感覚過敏の子に「怖くないよ」と言っても意味がありません。

”自分と同じように感じているとは限らない”ということを前提にすることが、感覚の違いを認め、適切なサポートを取り入れる第一歩となります。

【引用文献】吉川徹(2024)感覚の多様性を踏まえた子どもの支援.こころの科学 235,10-16