クリニック新聞2月号「思春期の子どもはなぜ”キレる”?」

今年度もあと少しですね🌸

クリニック新聞について更新するたびに「もう今月が終わったなぁ~」と思っています😂

2月号のテーマは思春期の子どもが”キレる”理由についてです。

全身から不機嫌さを漂わせているのに、「何か怒ってるの?」と尋ねると「別に怒ってないし!!」と言い、怒ってるじゃないの・・・となるのは思春期ではよくありますね。

よく「反抗期は成長の証」と言ったりしますが、これはなぜなのでしょうか。

人は、子どものときは親に守られて生きています。

子どもにとって親はいつも正しい存在で、自分は親に守られるのが当たり前だと思っています(子どもの中で無意識に起きていることです☺)。

しかし、実際は「親はいつも正しい」ということはないですよね。

大人だって間違えることはあるし、社会には理不尽なことがたくさんあります。

そういうことに気づき始めるのが思春期です。

「親だって人間なんだからいつも正しいとは限らないんだな」

「社会には正しくないことがたくさんあるんだな」

という、親や社会に対する現実を知っていきます。

これは大人になってみると当たり前のことだと思えるのですが、子どもにとっては大きなことなのです。

それまで”完璧だった親”が実は完璧じゃなかったということを知り、子どもは親に失望したり幻滅したりする一方で、親を信じたい、親が大好きだという葛藤に揺れ動きます

思春期の心はとても複雑です。

その葛藤を抱えながら、自分で自分の人生を歩むために、親の庇護のもとで生きてきた自分と決別しようとするのです。

それが反抗(=キレる)となります。

まだまだ気持ちを言葉にすることができないので、葛藤の伝え方が拙いです。その結果、親を傷つけるようなことを言ってしまうこともあります。

でも、キレる子どもの心の中は、不安・悲しみ・孤独・戸惑い・みじめさ・疑念・恐怖・混乱・・・などたくさんの苦痛な感情で溢れています。

その苦痛な感情の前衛として「怒り」の感情が表出されています。

ときにはSOSの意味をもつ怒りもあります。

思春期真っ只中の子どもと接するのは、大人もエネルギーを使います。傷つくようなこともあるかもしれません。

でも、私たち大人は子どもが表面にあらわしているものに惑わされず、その背景に隠れている子どものつらさを見逃さないようにしたいですね。